前回は、
提案書のご相談内容まで説明しました。
今回は、現状把握から進めていきます。
- 表紙
- 目次
- ご挨拶
- ○○家の現状のご確認
- ○○家の今後の収入予定と支出予定
- ご相談内容
- 現状分析と問題点の提示 ←今回はここ
- 問題点改善のための改善案とその効果
- 対策の実行により期待される効果の分析
- ご相談内容への対策・ご提案、その他注意点
- おわりに(〆のあいさつ)
- 添付資料
ご相談内容までは、
『相談内容をまとめているだけ』でしたが、
ここからは、実際にFPとして、
『相談内容に答えていく』ことになるので、
難易度が急に上がってきます。
それでは、説明に入っていきます。
『現状分析』については、
以下の流れで行っていきます。
- ライフイベント表の作成
- 住宅ローン関係のまとめ
- キャッシュフロー表の作成
- バランスシートによる収支状況報告
『問題点の提示』については、
例えば、キャッシュフロー表を作成した際、
- 貯蓄残高がマイナスになった(家計破綻)
- ずっと収支がマイナスになる(赤字が続く)
- 目標とする金額に届かない
といったところに着目して、
『その時のバランスシートを作成』して、
どこに問題があるのかを提示します。
AFPの課題は、わざとらしい位に
『家計破綻にまっしぐら』に
なるかもしれませんが、
『別にそれはそれで問題ない』と
思ってください。
ここで『大事なところ』は、
『キャッシュフロー表で赤字』になったり
『家計破綻』などをしたときに、
- どのタイミングで家計が破たんするのか
- どうして継続的に収入が減るのか
- ライフイベントと破綻は関係しているか
- 教育費やローンは収入に対して妥当か
をなどを分析することです。
逆に、上記のことが解ったら、
後でやる『問題改善のための提案』で、
そうならないための対策を出すようにすれば良いのです。
『ライフイベント』については、
- 子供の入学時期
- マンション購入の時期
- 車買い替え、海外旅行の時期
- 子供の結婚祝いなどの時期
等を入れていきます。
『金額』については、
- 今後の収入予定
- 今後の支出予定
- マンション購入、援助
を『現在価格』で入れます。
『住宅ローンの設定』は、
『相談内容』を元に、
その時出せる頭金を設定して、
残りの残額をローンとします。
例えば、
『6000万円のマンションを購入』する場合、
手元に600万円+援助が600万円としたとき
住宅ローンを以下のように組めます。
- 購入代金 :6,000万円
- 諸費用 :300万円(購入代金の5%)
- 購入代金合計:6,300万円
- 自己資金合計:1,200万円
- 住宅ローン :5,100万円
諸費用の出し方は色々とありますが、
私は『課題の参考資料を基に5%』としました。
次に、金利の設定となりますが、
よっぽど計算に自信があるのでなければ
『フラット35』が計算が楽ですね。
これも、『課題の参考資料』にそれぞれの、
架空の銀行の金利設定があるので、
それを参考に決めると良いです。
団信の見積もり
『団信の見積もり』になりますが、
『住宅金融支援機構』に、
団信のシミュレーションがあるので、
条件を入力して結果を写せばよいです。
以下はリンク先です(外部サイトです)
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、
『10年間の間、ローン残高の10%が控除』
になりますが、
ここで注意が必要です。
『初年度は控除されず、
2年目に1年目の分と合わせて控除』
になるので、
2年目に初年度分を合わせて控除してくださいね。
次はキャッシュフロー表に入りますが、
すぐにキャッシュフロー表に入る前に、
『設定条件の案内』をしておくとよいですね。
設定条件の案内について
- ライフイベントをすべて実現
- 変動率の説明
- 援助の有無(ある場合は適用した場合)
について明示しておきます。
『変動率』については、
- 基本変動率(例えば1%)と例外の提示
- 変動率0のもの(住宅ローン、保険料等)
- 個別の変動率適用のもの(教育費、運用率等)
について説明できれば良いと思います。
キャッシュフロー表作成時の注意点
まず初めに、
フォーサイトのテンプレートには、
全く数式が入っていません。
そのため、
自分で変動率を掛けて手入力するか、
数式を入れて計算する必要があります。
試験後に不満を述べたところでも書きましたが、
ROUND関数(四捨五入)やPOWER関数(累乗)を用いて、
『=ROUND(基準年のセル*POWER((1+変動率のセル),経過年数のセル),0)』
みたいな感じで、
数式立てると良いですね。
『キャッシュフロー表を作成後』は、
年間収支と貯蓄金額額を見ていきます。
- 年間収支が継続的にマイナス
- 突発的なライフイベントで大幅マイナス
みたいな場所を見ながら、
- 年間貯蓄が極端に少ない(家計に余裕がない)
- 年間貯蓄がマイナスになった(家計破綻)
を見つけて、そこを問題点にあげていきます。
ちなみに、『その原因になると思われる時点』での、
『キャッシュフロー表の収入と支出の項目』から、
バランスシートが作れますので、
それを元に問題点の提示を行います。
問題点の提示の説明をするにあたって、
参考例で、
私の例を少し上げさせてもらいます。
当時の内容については、
にありますので、
興味があったら見てください。
今回は、説明用に
『同じようなグラフ』を作って
解析をしてみますね。
『将来収入・将来支出の条件』で
- 2018年から4年間、奥様が産休+時短出勤
- 2034年から息子さんが高校に入学
といった条件があったとします。
『2018年からずっと年間収支がマイナス』なため、
『2018年時点でのバランスシートを作成して、
基準年時のバランスシートと比較』すると、
『奥様の給与所得が半分になっている』ことが解りました。
『原因』として、
『子供を産んだ後4年間は時短勤務』が原因と判明しました。
また、
『2034年から継続的に年間収支がマイナス』なので、
『2034年時点でのバランスシートを作成して、
基準年次のバランスシートと比較』すると、
『原因』として
『子供の高校入学後の教育費に収入が追いついていない』
ことが判明しました。
もちろん『老後資金も賄えてません』。
この結果から、
キャッシュフロー表で判明した問題点は、
- 産休後4年間は妻の年収が半減
- 子供が高校入学後の教育費増大
による『家計破綻』、
『老後資金の用意が出来ない』
になりますね。
そのため、『問題点の提示』で
- 産休・時短勤務時のバランスシート
- ライフイベント時の出費
- お子様が高校、大学入学後のバランスシート
- 目標老後資金との差異
を上げて、説明をすることにしました。
※あくまで、今回は参考例です。
このように、
『キャッシュフロー表』で、
- 年間収支が継続的にマイナス
- 家計が破たんする
『原因』を探して、
それを『バランスシートで説明』するのが、
問題点の提示では重要です。
『原因』については、
『今後の支出・収入予定の中にある』ので、
『今後の支出予定、収入予定』と
『ライフイベント表』を
しっかりと書いていれば、
見えてきます。
どうしても見つからない場合は、
『生活費や住居費が異常に高くないか』も
考える必要がありますが、
それは『最終手段』で考えましょう。
『原因発生時のバランスシート作成』自体は
『キャッシュフロー表に収入と支出の項目がある』ので、
それを元に作れば案外簡単にできます。
出来れば、具体的に
『現状よりも○○万円マイナスになります』。
を書けると良いですね。
この問題点の提示を元に、
『分析結果』を書きます。
内容的には
- ○○という原因があることが解りました。
- 貯蓄残高がマイナスの場合は家計破綻を意味する
- 将来的な目標の達成が出来てない。
- 相談者が優先する内容を維持する
- その上で改善策を打ち出す。
といった形で書ければよいです。
これを元に、
『問題点の改善案とその効果』を
作成していきます。
ここら辺で詰まる人が、
かなり出てくるのではないかと思いますが、
ここまでしっかりと提案書を作ってきたならば、
順序だってやれば、
確実に問題点を抽出できるので、
頑張ってくださいね。
今回の説明はここまでです。
ご精読ありがとうございました。
コメント